→トップページへ戻る
戻る→  

設立趣旨書

バブル経済崩壊後の社会構造が激変した主な社会経済現象には、雇用の不安定要因の拡大=企業の移転・倒産、リストラ、失業の増大などがありました。日本経済社会にとって、このかつてなかった不安な事態は、政策対応が立ち遅れたまま失業者の増大はもとより、労働契約の多様化を促しフリーターからニートまでの激増にとまどっていて克服できていません。それは、終身雇用や年功序列制度の急激な崩壊に止まらず、新たな社会現象の台頭とともにかつての労働文化の変質と、新しい生活文化として発生してきた「ワーク&ライフ・バランス」の意識に対応したまま流されているといえます。

これらの因果関係は、アジアを主とした低賃金労働市場を求めて移動する産業資本主導によって、国内産業の空洞化が常態化する一方で、勤労世帯の生活レベルの二極化が促進され、生活不安と困難層が増大しました。その結果、従来からのセーフティネットが脆弱になったまま、引きこもりや多重債務者、ホームレスや自殺者など社会的弱者が急増しました。しかし、社会的弱者のほとんどは、それゆえに発言力や異議申し立てが弱く、「自己責任」を押し付ける風潮のもとでますます無力化する傾向にあります。 この深刻な生活不安の根底には「就労不安」と「所得縮減」があり、それを引き金とするドメスティック・バイオレンス(DV=近親者による暴力)の多発や離婚等による家庭の崩壊、犯罪の多発などに連なり、地域社会の荒廃にまで及んでいます。

そこで私たちは、「コミュニティワーク」(地域社会にある生活や生産のニーズに対して、そこに住み暮らす人々の所有する個人資源――いくばくかのお金、智恵、労力、時間――に依拠して協働し、課題解決をはかる自律的働き方・生き方)の有効な実現をはかるために、個人企業者や小・零細企業者の求人ニーズに応えるとともに、W.Co(ワーカーズ・コレクティブ)やNPO(非営利事業組織)の起業化を支援します。

私たちの使命は、21世紀にふさわしい自由な「もう一つの働き方」を創造し、「労働市場」に対するオルタナティブを形成することであり、地域経済の活性化に貢献することです。ここで生まれる新しい「ワーク&ライフ・バランス」を回復し、生活価値を継続的に実現するには、生活と労働に対する相談機能はもちろんのこと、コミュニティ資源の「出会いの場」をつくり、カウンセリングやセミナー・共育のシステム形成等々新たな交流・交歓・たすけあいを拡充して、多様な課題解決のため市民交流をはかる「協働サロン」を必要としています。

その実現に向け下記の事業を想定し、「コミュニティワーク」の社会化に貢献します。

  1. 1.生活及び就業・起業・求人等に関する相談及びコーディネート
  2. 1.セミナー、フォーラム等の企画及び開催
  3. 1.コミュニティワーク拡充に関する調査・企画及び広報・啓発
  4. 1.その他、目的実現に必要な事業

以上のような主旨にご賛同いただける皆さまのご参加を期待いたします。